和と動？で敗戦
巨人2-4DeNA（東京ドーム）2020.07.30
リード時は我慢、ビハインド時は動く原采配が裏目に出た敗戦だった。和と動ってそういう意味だったんか？
6回まではメルセデスと大貫の素晴らしい投げ合いだった。
大貫はスプリットを主に投げてくる珍しいタイプのピッチャーで、そこにツーシームも絡めてゴロを量産する傾向。巨人打線は坂本以外が手こずっている様子だった。
対するメルセデスは良いコンディションをキープしており、6回までヒット2本四球１つという素晴らしい内容だった。
先制点を取ったほうが勝利になりそうな雰囲気が続く中での6回裏、ツーアウトながら7番パーラが3塁打で出塁を果たす。それまで低めに集めていた大貫の球が高くなりだし、それを見逃さず打ち抜いた一打。センターの梶谷がギャンブル気味に打球をノーバンキャッチしようと試みるも後逸し、結果それが3塁打に結びついた形だった。ツーアウトというのもありセーフティに捕球して2塁打にしていれば、次のシーンは生まれなかっただろう。
8番は吉川尚輝。敬遠して9番メルセデスで代打を出させて降板させる策もあっただろうけど、DeNAサイドは尚輝勝負を選択。追い込まれるもファールで粘った後の6球目、低めのボールに食らいついてセンター方向に打球を飛ばす。微妙にイレギュラーバウンドした打球をセカンド柴田がキャッチして振り向きざまにファーストへ送球。尚樹は渾身のヘッドスライディング（2年前の怪我がよぎる）。判定はセーフ。リクエストが入るも覆らず、3塁ランナーパーラの生還が認められて先制点をもぎ取った。
0-1とし、7回もメルセデスが続投。ソトと佐野を難なく抑えてツーアウトを取る。しかし続くロペスに外の球をレフト前に運ばれて出塁を許す。球数はすでに100球を超えており、4回以来のランナーを背負ってリズムが崩れたのか、続く宮崎に対して外にボールが決まらず四球を与えてしまい、二死1・2塁のピンチを背負ってしまう。
メルセデスは一度崩れると立ち直れない傾向があるので、ここが代え時だろうなと思ったらベンチの判断は続投。結果代打嶺井、倉本に連打を浴びて2失点し逆転を許したところで降板。後続は大江がきっちり火消しするも、メルセデスにとっては悔しい結果となった。
大江は回を跨いで8回も3人でピシャリと抑える。特にソトとの相性が抜群に良くて、前回対戦と同様手も足も出させない内容だった。恐らく0-1のままだったら8回の頭から大江が投げていたのだろうと思う。大竹と高梨が連投していたので、勝ち継投で使えそうな信頼と実績のある投手がおらず、直近の調子の良さでそうなるかなと。ベンチに高木がいれば彼に8回を任せて、7回の大江投入を早められたかもしれない。高木の状態が気になるところだが。
8回裏巨人の攻撃で追いつくチャンスが訪れる。先頭のウィーラーが内野安打で出塁し、パーラもライト前ヒットで続いて、代走していた増田が一気に3塁まで到達し、鮮やかに無死1・3塁の状況を作り出す。
ここでベンチが動いて尚輝に代えて代打中島を送り出す。代打は次のピッチャーの打席で良かったかなと思ったけど、マウンド上が左の石田だったので左右の関係を優先して右の中島を送り出したのだろう。結果はこのケースで最悪の空振り三振。前に飛ばせば何かの形で1点取れるケースだったのに。
しかしまだ一死1・3塁。打席には代打の陽岱鋼。犠牲フライやゲッツー崩れでも得点のある状況。
しかし陽に対する2球目の後、巨人ベンチが仕掛けて、1塁ランナーパーラがディレイドスチールを試みる。DeNAバッテリーは2塁へ送球し、パーラが1・2塁間に挟まれる状況に。3塁ランナー増田が機を見計らって本塁へ突入。ショート倉本が待ってましたとばかりに挟殺プレーを切り上げてホームへ返球しタッチアウト。結果二死2塁となり、巨人サイドは動いたがために自らチャンスを狭めてしまった。
ディレイドスチールなので挟まれて守備のミスを誘うのが狙いだったのだろうけど、DeNA内野陣がそれを想定して完璧に対応。挟殺プレーを嫌ってピッチャーがカットしていたら、一死2・3塁となって内野ゲッツーの芽を摘む事になっていた。
相手の守備力を甘く見ていた巨人サイドの作戦負けだろう。動くのだったら尚輝にセーフティスクイズでもやらせておいた方がマシだったかもしれない。
9回は期待の田中豊樹が一発を浴びて1-4とリードを広げられてしまいガッカリ。何であんなにスライダーいっぱい投げさせたのかはよく分からない。
その裏岡本が看板直撃弾を放って一矢報いるもそれまで。2-4で敗戦しカード負け越しとなった。これまでDeNAとの接戦はウチが勝っていたために、不気味な流れではある。
次はカープドラ１の森下と初対戦。こちらも畠が今季初先発と蓋を開けてみなければ分からない顔合わせなので、期待と不安半々で見守りたい。
以上。
