やっぱり気になる坂本の状態
巨人4-9ヤクルト(ほっともっとフィールド)2020.07.11
はじめに、サンチェスの投球は今までで一番良かったと思う。序盤はストレート主体にチェンジアップとカットボールをコースに投げ分けて組み立て、4回以降は突如スプリットを多投しだすも、今回はゾーンに投げきれていたので空振りをかなり取れて計8奪三振。今までに無い出来だった。
ただ、初回の青木の本塁打は別として、2回、4回、6回と、エラー、ヒット、四球で先頭打者を出してしまい、そのいずれもホームに返ってきてしまい失点。特に2回と4回に関してはタイムリーを打たれた訳ではなく、後続のバッターにあっさり進塁打を打たれ、ワンアウトで3塁に進まれてからの失点だったので悔やまれる。
今回の内容のサンチェスであれば、特に待望のスプリットの制球に芽が出てきたので、ローテの一角として任せられると思う。それだけに4失点で降板という良くない印象を残してしまったのは勿体ない。
上述の2回の失点にはもう一つ気がかりな要素があって、先頭打者の変哲もないショートゴロを、ファーストへの送球ミスで2塁に進めてしまった坂本だ。
このプレーだけならまれにある事かもしれないが、同じ回で一死1・3塁となった場面、内野ゲッツーなら無失点で切り抜けられる状況で、嶋が打った狙い通りのショートゴロをセカンドへ悪送球してしまう。この日セカンドの若林が何とか身を呈してキャッチして2塁でアウトは取れたが、その間に3塁ランナーの生還を許す。
二死1塁となって9番ピッチャー小川の打球もまたショートへ飛び、そのファーストへの送球も浮いてしまって中島がジャンプキャッチ。間一髪のタイミングでのアウトとなった。
送球ミス3連発は流石に普段の坂本なら考えられないので、患部の左脇腹の影響がまだあると見て間違いないだろう。ここしばらく試合に出さなかったのも頷ける。
となると、今後坂本をどうするかが気になるところ。悪化するリスクを取っても出し続けるか、しばらくまたベンチスタートにするか、大事を取って抹消するか。
バッティングの方は良い当たりはしていたので、今の状態がスローインングに問題があるだけなら、セカンドに坂本を置いて使うのも手じゃないかなとは思う。ショートは大輝尚輝に任せれば良い。
果たしてベンチはどう判断するだろうか。
一方ヤクルト先発小川の方はかなりのスロースタートだった。出だしはカットボールの制球に苦しんでいたようで、それが整い出した5回6回は本来のコーナーワークが冴え渡って手も足もでない状況になった。それだけに序盤でもっと点を取れなかったのが勿体なかった。
2回と4回にはこちらもヤクルト同様ノーアウトからランナーを出すものの結果は対照的で、両方とも併殺打でチャンスを無駄にしてしまう。このあたりがこの試合の勝敗を分けたように思える。
まぁしかし試合終盤の展開を思えば、そんなのは些細な事なのかもしれない。鍵谷、ビエイラ、鍬原が7~9回を任されるも、尽く打ち込まれて失点を重ねてしまったからだ。鍵谷とビエイラの失点に関しては、センター丸の守備の判断が怪しかった気もするから良いとして、鍬原の方は勘弁してくれというような内容だった。
鍬原はとにかくコントロールに改善の兆しが見えない。ストレートがシュート回転するのだから、プレートの一塁側に立って投げ込めば良いのにとは前々から思っていた。右投げの投手がプレートの一塁側に立てば、振られる腕はストライクゾーンの真ん中に位置するので、コースへの投げ分けが容易になる(とどっかのネットの記事に書いてあった)。鍬原はシュート回転した球が抜ける事が目に付くので、それも投げる位置をズラせばストライクゾーンに収まってくるんじゃないかという魂胆。
まだ高めに浮く問題が残るけれど、横から投げるピッチャーの高めはバッターが結構振ってくれるから、個人的には気にしなくて良いと思う。とりあえずコースに投げられるようになれば見違えるんじゃなかろうか。
以下この試合のその他出来事をざっくりと。
高木、楽々と火消し成功。この実力はもっと注目されて良いと思う。
尚輝、明日に繋げる一発。打率も2割を切らずに済んだ。
巨人、雨天中止含めて一週間勝ち星なし。早く晴れ間が見たい。
以上。