ムードメーカーがゲームメーク
巨人8-2ヤクルト(東京ドーム・練習試合) 2020.06.07
中断期間中のSNSで、元木ヘッドのお気に入り具合が伺えた、マリモこと田口と踊れる若手の湯浅が活躍した試合だった。
紅白戦の時の田口は、ストレートは良かったもののスライダーがイマイチに見えた。
この試合では、嶋を三振に取ったときのスライダーは良かったが、全体的にまだ本来のキレではないように思える。
ただそれを補うようにストレートの球威が良い感じで、終始140kmオーバーの球速で内外に投げ分けてうまく組み立てていた。
昨シーズンリリーフの時にはフォークも投げていたが、この試合では1球も見せなかった。使った方が投球の幅が広がると思うけど、先発していた時に使っていたストレート、スライダー、カーブの精度とコンビネーションに磨きをかけているのかもしれない。
良い結果ばかりだったという訳でもなく、この試合で因縁となるような存在が現れた。
渡邉大樹、ヤクルトの高卒5年目の外野手で、昨年代打でプロ初安打となるホームランを放った選手なのだが、その相手が田口だったりする。
でこの試合、何でも渡邉の誕生日だったらしいのだが、好投を続けていた田口から右方向へホームランを打っちゃうわけで。渡邉からしたら田口は何とも縁起の良い相手となった。
打の方の主役湯浅は、尚輝の代わりに増田大輝が1番に入り、その増田の代わりに2番ショートでスタメン出場。原監督が前日に左対策と銘打って組んだオーダーらしいが、レフトが石川でなく亀井だったので、その割には中途半端だなとは思った。
湯浅はこの試合猛打賞を達成し、内一本はレフトスタンドの上段へ放り込む3ランホームラン。左腕高橋圭二のクロスファイアーを綺麗に回転してジャストミートした一発だった。
湯浅はドラフト8位で入団した高卒3年目の選手で、去年までは全く脚光を浴びていなかった。私的には敏捷性がある選手だとは思っていて、広島が好きそうなタイプだったので、丸の人的補償で持っていかれるのでは、と密かに心配していた時期もあった。
まぁしかし今年のオープン戦から、ハマるとこんなに飛ばす選手だとは予想外。小柄な体格なので、インパクトの際の力の伝え方やタイミングが良いんだと思う。
加えて1打席目のように粘って四球を取れるし、オープン戦の時はキッチリ右打ちもしていて、とてもドラ8とは思えないポテンシャルを見せつけてくれる。
ただ守備の拙さがこの試合では露見した。
4回、ショートの湯浅が雄平の打球を処理する際、捕球した後に無駄にステップをバタバタと踏んで送球が遅れ、内野安打を献上してしまった。
内野安打にこそなっていないが、これ以外にも同様のプレーがあり、現状でショートを任せるには不安がある。足は速いし捕球もスローイングも悪くないのに、捕球からスローイングの移行処理に難がある、何とも惜しい具合だ。
セカンド・サードをやる分には大丈夫だろうから、尚輝と左右で使い分けるのが妥当な気がする。
以下この試合のその他出来事をざっくりと。
9番でサード北村スタメン出場、爪痕残せず。
今日も7番のパーラ、ヒット放つも落ちる球が苦手な兆候。
丸、バックスクリーンに久々の一発。
ナカジ、ライトポール際にホームラン。好調維持。
炭谷、2本の2塁打で正捕手争い激化。
陽が途中からファースト守備に入り、3-6-3のダブルプレーを華麗に決める。
以上。