戸郷・北村で試合を作って締めのウィーラー

広島1-12巨人（マツダスタジアム）2020.07.16

大勝。前日に先発の出来が勝敗を分けると書いたけど、先発の戸郷は抜群の出来で3回まで広島打線をパーフェクトに抑える最高の滑り出し。

一方巨人打線はこの日1番に入った北村が躍動。1回、3回、5回と先頭で出塁すると、岡本と3番に入ったウィーラーが返して得点。

表で戸郷が試合のペースを作り、裏で北村がアクセントとして働いて、序盤から理想的な展開で勝ちゲームを作り上げた。

戸郷と広島先発ジョンソンは投球ペースが対象的だった。戸郷はカウントが苦しくなっても強気にゾーンで勝負してバッターへ主導権を渡さずテンポの良いピッチング。ジョンソンは変化球の制球に苦しんだり、味方のエラーがあったりで中々ペースを掴めずにいた。なので短い広島の攻撃、長い巨人の攻撃といった展開。

戸郷は3回までのパーフェクトピッチングも凄かったが、真骨頂は4~6回のランナーを出してからのピッチングだと思う。

4回に連続四球で二死1・2塁とするも強気にゾーンで勝負して打ち取り、5回に初ヒットを打たれて3塁にランナーを置いても動揺せずに3球で次の打者を仕留め（長野…）、球数が100球に達した直後に二死1塁の状況で強打者鈴木誠也と対峙するも3球勝負で退けた。

20歳になったばかりの選手とは思えない度胸と大胆さで、状況が変わっても平然としていられるメンタルが戸郷の持ち味だと思う。それをベースに空振りを取れる変化球を複数持っていてゾーンで勝負できる。書いていてクローザーも務まるんじゃないかとも思えてきた。

未知の課題なのがスタミナ。今のところ100球を目処に降板しているので、これが今後伸ばせるのかどうか。あとはローテを守るという意味でのスタミナで、4試合、5試合と続けていって疲労を溜めたりしないかどうか。次代のエース候補のポテンシャルが気になるところ。

打の方では1番に入った北村が3出塁で切り込み隊長の役割を全うしてくれた。前回のジョンソンとのマッチアップでは、粘りに粘って出塁した炭谷を長打で返した功績があり、そこを買われての抜擢と思われる。そういえばその試合で投げていたのも戸郷だったので、戸郷-北村-ジョンソンはこちらにとって良いご縁なのかもしれない。

ただその後ピッチャーが島内に代わってからは、相対した2打席とも三振に倒れてしまう。どうもフォークを意識してしまってダメなようだ。北村の持ち味は昨季イースタンリーグで見せた出塁率の高さだと思うので、フォークの見極め力も高めて、もう一段上のレベルに行ってほしいところ。チーム内だと丸と亀井がフォークの見極め上手いイメージ。

打の方でもう一人、この試合で3番に大抜擢されて4打点の大活躍したのがウィーラー。年俸的にようやく本領見せてくれたというのが本音だけれど、勝敗を決めた5回の一発は価千金だった。

ただウィーラーが3番でスタメン起用された根拠が分からずじまいでいる。丸がジョンソンと相性が悪いのでスタメンを外れたのはまぁ分かるとして、ウィーラーは移籍したばかりなのでジョンソンとの相性とかはないだろうし、何なんだろうか？

本人から導き出せないということは消去法だったのかな。右偏重打線を組みたいけど、丸の代わりにセンターに入る陽は前回対戦で打ててない、調子良い中島はあまり動かしたくない、石川だと荷が勝ちすぎる、じゃ楽天で4番張ってたウィーラー試してみるか、って感じかな。だとしても結果が伴っているところが怖い。

以下この試合のその他出来事をざっくりと。

高木、ベンチ外で久々のお休み。今後は高梨加入で負担減るはず。

坂本、先制に繋がる送りバントを決める。なお本日も無安打。

岡本、2試合連続弾。本塁打争いでトップに並ぶ。

ビエイラ、回跨ぎで無四球ピッチング。鈴木誠也の一発はしゃーない。

以上。